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てつのくじら館とは?陸に上がった実物の潜水艦「あきしお」に入れる資料館

てつのくじら館とは?陸に上がった実物の潜水艦「あきしお」に入れる資料館のイメージイラスト

呉駅から海に向かって歩いていくと、道路ぞいに黒くて巨大な物体が横たわっているのが見えてくる。模型ではなく、実物の潜水艦だ。これが「てつのくじら館」の目印になっている、陸に上げられた潜水艦「あきしお」である。この記事では、公開されている情報をもとに、てつのくじら館がどんな施設なのかを紹介する。

目次

正式な名前は「海上自衛隊呉史料館」

てつのくじら館は愛称で、正式には「海上自衛隊呉史料館」という。2007年(平成19年)4月に開館した、海上自衛隊が運営する史料館だ。「てつのくじら」という呼び名は、屋外に展示されている潜水艦の姿からきている。

立地は、大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)の道路をはさんだ向かい側。呉観光では、この2館をセットで回る人が多い。入館は無料で公開されているが、開館日や開館時間は変わることがあるため、訪問前に公式サイトで確認しておくと確実だ。

目印になっている潜水艦「あきしお」

建物の横に置かれている潜水艦は、実際に運用されていた本物である。「あきしお」はゆうしお型と呼ばれる型の潜水艦で、全長は76.2m、基準排水量は2,250トンとされている。役目を終えたあと、この場所に陸揚げされて展示物になった。

潜水艦をこれだけ近くで、しかも真横から全体の形を見られる機会はそう多くない。海に浮かんでいるときは船体の大部分が水面下にあるため、ふだんは見ることのできない下側のふくらみや、艦首の丸みまで観察できる。これは陸に上げられた展示ならではの面白さだ。

夜になると、あきしおはライトアップされる。昼とはまったく違う輪郭が浮かび上がるので、夕食のあとに前を通るコースを組んでみるのもいい。

いちばんの見どころは「中に入れる」こと

てつのくじら館が他の資料館と大きく違うのは、この「あきしお」の内部に入って見学できる点だ。艦内は使われていた当時に近い形で残されており、狭い通路、士官室、ベッドの並ぶ居住区、操舵室などを順路に沿って見ていくことになる。

実際に歩いてみると、写真で見るのとは印象がかなり変わる。天井は低く、通路は人がすれ違うのがやっとの幅で、寝台は棚のように三段に積み重なっている。この空間で何十人もの乗員が何十日も生活していたという事実が、説明文を読むより先に、体感として伝わってくる。

潜望鏡をのぞける場所もあり、ここは子どもから大人まで足が止まりやすい。順路はそれほど長くないが、通路が狭いため、混雑する時間帯は流れがゆっくりになることも覚えておきたい。

建物のなかは「掃海」と「潜水艦」の2本立て

屋内の展示は、海上自衛隊の歩みを紹介するフロアに加えて、機雷を取り除く「掃海」の歴史を扱うフロアと、潜水艦の歴史を扱うフロアで構成されている。

掃海というのは、海に敷かれた機雷を取り除く仕事のことだ。戦後の日本の近海には大量の機雷が残されていて、それを除去する作業が長く続けられてきた。船を沈めるための兵器を、人が乗った小さな船で一つずつ処理していく——地味だが危険な仕事である。この分野にまるまる1フロアを割いているのが、この史料館のいちばんの特徴といえる。機雷の実物大の展示もあり、その大きさに驚く人は多い。

潜水艦のフロアでは、潜水艦の仕組みや歴史、乗員の暮らしが紹介されている。あきしおの艦内に入る前にこちらを見ておくと、実物を見たときの理解が一段深くなる。

大和ミュージアムとどう回り分けるか

向かい合って建っている2館だが、扱っているものははっきり違う。大和ミュージアムは戦艦大和を軸にした呉の造船と海事の歴史、てつのくじら館は戦後の海上自衛隊、とくに掃海と潜水艦。時代でいえば「戦前・戦中」と「戦後」で役割が分かれていると考えるとわかりやすい。

時間配分の目安としては、大和ミュージアムに1時間半から2時間、てつのくじら館に30分から1時間ほど見ておくと、余裕をもって回れる。どちらも呉駅から歩ける距離にあり、周辺には海自カレーを出す飲食店もあるので、見学と食事をまとめて組み立てやすいエリアだ。

まとめ

てつのくじら館は、実物の潜水艦の中に入れるという、ほかではなかなか味わえない体験ができる施設だ。屋外のあきしおは通りからも見えるため、外から眺めるだけで済ませてしまう人もいるが、中に入ってこそ価値がわかるタイプの展示といえる。呉を訪れるなら、大和ミュージアムとあわせて軸に据えておきたい2館である。

(本記事は一般に公開されている情報をもとに構成しています。開館日・開館時間・展示内容などは変更される場合があるため、おでかけの前に各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。)

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