呉を歩いていると、ふと足を止めたくなる壁に出会うことがある。赤れんがを積み上げた古い壁、苔の生えた石垣、坂道の脇に続く石積み。どれも、案内板があるわけではないが、長い年月をこの街で過ごしてきたものだ。
呉は、港町として大きく発展してきた街だ。その時代に造られた建物や護岸、坂道の石垣が、今も街のあちこちに残っている。この記事では、有名な建物を訪ねるのとは少し違う、街角で赤れんがと石積みを見つける歩き方を考えてみる。
赤れんがは、港の近くに多い
赤れんがの建物や壁は、港に近い場所で見かけることが多い。港で使われた倉庫や、港を支える施設に、れんがが多く使われてきたからだ。
港沿いを歩くときは、海だけでなく、陸側の建物にも目を向けてみたい。古い赤れんがの壁は、新しい建物とは色の深みがまるで違う。雨や潮風に長くさらされてきたれんがには、1つずつ違う表情がある。
れんがの積み方を見る
赤れんがの壁を見つけたら、れんがの積み方に注目してみるといい。
れんがには、長い面と短い面がある。壁の表面に、長い面ばかりが並んでいる段と、短い面ばかりが並んでいる段が、交互に重なっている積み方がある。1つの段の中で、長い面と短い面が交互に並んでいる積み方もある。
積み方の名前を覚えなくても、「この壁はどう並んでいるかな」と眺めるだけで、壁の見え方が変わってくる。同じ赤れんがでも、積み方によって壁の模様が違って見えるのが面白い。
石積みは、坂と石段に残る
石積みは、坂の多い呉では、とても身近なものだ。坂道の脇の石垣、家々の土台、石段の両側。住宅地を歩けば、あちこちで古い石積みに出会う。
石積みにも、いろいろな表情がある。大きさのそろった四角い石を、きっちりと積んだもの。形の違う石を、すき間なく組み合わせたもの。斜めに傾けて積んだもの。どれも、坂の多い土地で、崩れないように工夫して積まれてきたものだ。
美術館の近くの石畳の坂
街歩きで石と坂の景色を楽しむなら、美術館の近くの石畳の坂も訪ねてみたい。石畳と、道の両側の木々や建物が落ち着いた雰囲気をつくっている。
石畳の坂は、足元に気をつけて歩きたい。雨の日は滑りやすくなるので、歩きやすい靴で出かけるといい。
古い官舎の建物を訪ねる
呉の古い建物をじっくり見たいなら、明治の時代に建てられた官舎を今に伝える入船山記念館を訪ねるのもいい。和と洋を組み合わせた建物の造りや、壁の飾りを間近に見られる。
こうした建物を1つ見てから街を歩くと、街角の古い壁や石垣にも、同じ時代の空気を感じられるようになる。
見つけたら、少し離れて眺める
赤れんがの壁や石積みを見つけたら、近づいて細部を見るだけでなく、少し離れて眺めてみたい。
離れて見ると、壁や石垣が、周りの街並みや坂道とどうつながっているのかがわかる。古い石垣の上に新しい家が建っていたり、赤れんがの壁の向こうに港が見えたり。古いものと新しいものが重なり合っているのが、呉の街の面白さだ。
暮らしの場であることを忘れない
街角の石積みの多くは、今も人が暮らしている家の土台や、生活の道の一部だ。眺めるときは、住んでいる人の迷惑にならないよう気をつけたい。
家の敷地に入らない、石垣に登らない、大きな声で話さない。写真を撮るときも、家の中や住んでいる人が写り込まないよう気を配りたい。
歩く順番の組み方
赤れんがと石積みを探す街歩きなら、港沿いから始めて、坂を上って住宅地へ、そして美術館の近くの石畳の坂へ、という順番が歩きやすい。港の赤れんがを見てから、坂の石積みへと移っていけば、海から山へと、街の成り立ちをたどるような歩き方になる。
まとめ
呉の街角には、港町として発展してきた時代の赤れんがと石積みが、今も残っている。港の近くでは赤れんがの積み方を、坂の住宅地では石垣の積み方を眺めてみる。近くで細部を見て、離れて街とのつながりを見る。暮らしの場であることを忘れずに、街角の古い積み方を探しながら歩いてほしい。
(この記事は公開されている情報をもとに構成した。施設の利用時間や道の状況は変わることがあるため、出かける前に、それぞれの公式の案内で最新の情報を必ず確かめてほしい。)
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