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音戸の瀬戸公園と高烏台 — 清盛の日招像が立つ、海峡を見下ろす丘

音戸の瀬戸公園と高烏台 — 清盛の日招像が立つ、海峡を見下ろす丘のイメージイラスト

音戸の瀬戸というと、赤い橋を渡る話になりがちだ。確かに音戸大橋と第二音戸大橋はこの海峡の主役だが、渡ってしまうと気づきにくいことがある。この景色は、上から見たときがいちばん美しいのだ。海峡を渡る前に、それを見下ろす丘に上がっておく。その丘が音戸の瀬戸公園であり、頂に高烏台(たかがらすだい)という展望台がある。ここでは公開されている情報にもとづいて、この場所を案内したい。

目次

公園は本土側の警固屋にある

音戸の瀬戸公園があるのは、呉市警固屋。海峡の倉橋島側ではなく、本土側の丘の上だ。呉の市街地から音戸方面へ向かう道の途中にあたる。

丘の上からは、幅の狭い海峡と、そこに架かる真紅の二本の橋、行き交う船、対岸の音戸の町並みが一望できる。橋の上を走っているときには断片でしか見えない要素が、ここでは一枚の絵として揃う。音戸の瀬戸がなぜ景勝地と呼ばれるのかは、この丘に立つと説明がいらなくなる。

とくに見ていて飽きないのが船の往来だ。音戸の瀬戸は狭い水路でありながら、いまも船が頻繁に行き交う現役の航路である。大きな船が橋の下をくぐり抜けていく瞬間は、海峡の幅の狭さと橋の高さを同時に実感させてくれる。眺めのなかに「動くもの」があるというのは、展望地として得がたい性格だ。

高烏台と日招像

公園の上部にあるのが高烏台という展望台だ。ここには、扇を掲げた平清盛の像——日招像が立っている。

この地には、清盛が沈む夕日を扇で招き返し、海峡の開削を一日で成し遂げたという伝説が残る。伝説そのものの話は、音戸大橋を扱った別の記事に譲るが、像が夕日の方角へ向かって立っているという配置は、現地で確かめる価値がある。伝説の場面を、伝説が生まれた地形の上で再現している像なのだ。

高烏台は公園のなかでも高い位置にあるため、視界はさらに開ける。海峡と橋だけでなく、瀬戸内の海と島影が遠くまで連なり、天気のいい日はしばらく動けなくなる眺めになる。公園の下のほうだけ見て引き返すのはもったいない。上まで行ってこその場所である。

桜とツツジの丘でもある

音戸の瀬戸公園は、花の名所としても知られている。呉市の案内によれば、園内には約2,300本の桜があり、例年3月下旬から4月上旬に咲く。桜が終わると入れ替わるように、4月下旬から5月初旬にかけて紅白のツツジ約8,300本が丘を埋める。

とりわけツツジの季節は、紅白の花と真紅の橋、青い海峡が重なって、この公園がいちばん華やぐ時期とされる。花期は年によって前後するので、狙って行くなら開花の情報を確かめてからがいい。

旅程のどこに置くか

呉市街から音戸・倉橋方面へ向かう途中に位置するので、島へ渡る行程の最初に置くのが自然だ。先に丘の上から海峡の全体像を頭に入れてから橋を渡ると、渡っている場所の意味がよく分かる。

逆に、倉橋島側から呉へ戻る行程の締めくくりに寄る手もある。渡ってきた橋と歩いてきた島を、最後に上からまとめて見返す。行きに寄るか帰りに寄るかで、同じ景色が「予告編」にも「振り返り」にもなる。

丘の上の公園なので、上り坂は避けられない。市街地の平坦な観光とは体力の使い方が違うことだけ、頭に入れておきたい。歩きやすい靴と飲み物を用意して、眺めのいい場所で長めに休む前提で組むとちょうどよい。

どんな人に向くか

橋や海峡の風景を写真に収めたい人には、まず外せない場所だ。花の季節を選べる人なら、桜かツツジの時期に合わせると景色の密度が一段上がる。逆に、音戸へ渡る予定がない人でも、呉市街からの半日往復で「海峡の見える丘」だけを目的に来る価値はある。

まとめ

音戸の瀬戸公園は、呉市警固屋の丘にある公園で、頂の高烏台展望台には平清盛の日招像が立つ。眼下には海峡と二本の赤い橋。春には桜、初夏の手前には紅白のツツジが丘を染める。橋を渡る前に上から眺めておく——それだけで、音戸の瀬戸の記憶の残り方が変わるはずだ。

(本文は公開情報を手がかりにまとめている。花の時期や園内の状況は年によって変わるため、出かける前に呉市や観光協会が発信する最新の案内を確認してほしい。)

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