潜水艦を、柵一枚を隔てた目の前で見られる公園が日本にある。呉市昭和町の「アレイからすこじま」だ。呉市公式サイトでは「世界でも珍しく、潜水艦を間近で見ることができる公園」「日本で唯一、間近で潜水艦を見ることができる場所」と紹介されている。ここでは公開されている情報をもとに、この公園がどんな場所なのか、名前の由来から見どころ、アクセス、見学時に気をつけたいことまでを整理しておく。
アレイからすこじまってどんな場所?
所在地は広島県呉市昭和町。呉湾に面した護岸沿いの細長い公園で、目の前の岸壁には海上自衛隊の潜水艦や護衛艦が停泊している。最寄りのバス停の名前がそのまま「潜水隊前」というあたりに、この場所の性格がよく表れている。
呉市公式サイトによると、入園料は無料、休園日もなし。柵越しではあるものの、潜水艦の黒い船体を数十メートルの距離で眺められる場所は、他になかなかない。
呉というまちがなぜこうした風景を持っているのかについては、当サイトの呉市ってどんな街?観光前に知っておきたい基本情報もあわせて読んでいただくと、背景がつかみやすいと思う。
「アレイからすこじま」という名前の由来
初めて聞くと不思議な響きの名前だが、呉市公式サイトに由来が明記されている。「アレイ」は英語の小道(alley)から。「からすこじま」は、かつて呉浦にあった「烏小島(からすこじま)」という小島の名前から取られている。
烏小島は周囲30〜40mほどの小さな島だったが、大正時代に魚雷発射訓練場として埋め立てられ、姿を消した。つまり地名としての「からすこじま」だけが、公園の名前として残っているわけだ。英語と、消えた島の名前の組み合わせ。呉らしい成り立ちだと思う。
見どころは潜水艦だけじゃない
一番の見どころが目の前に停泊する潜水艦・護衛艦であることは間違いない。呉市公式観光サイト「くれとりっぷ」によると、日の出・日没の時間帯に訪れると、各艦艇の国旗・自衛隊旗の掲揚と降納を見ることができるという。時間を合わせて行く価値のある光景だ。
そしてもうひとつ、この公園は旧海軍のモニュメントが屋外に残る場所でもある。呉市公式サイトが挙げているのは、旧魚雷積載用クレーンと、旧呉海軍工廠電気部関係の建造物。電気部関係の建物は呉海軍造兵廠時代、1897〜1903年(明治30〜36年)に建てられたものと紹介されている。
対岸には明治30年代の建造とされる「昭和町れんが倉庫群」が並び、赤れんがの街並みが視界に入る。潜水艦という現代の風景と、明治のれんが建築が同じフレームに収まるのが、この場所の面白さだ。なお戦艦大和は、この近くのドックで極秘に建造されている。
護岸の歴史は明治28年から
公園としての整備は比較的新しいが、この護岸そのものの歴史は長い。
日本語版ウィキペディアの記述によると、切石積の護岸が建造されたのは1895年(明治28年)。戦前は呉海軍工廠本部と兵器製造所の前の岸壁として機能していた。戦後は1956年(昭和31年)までイギリス連邦占領軍が使用し、呉市が公園として整備したのは1985年(昭和60年)のこととされる。
現在は護岸沿いにインターロッキングブロックが敷かれ、潜水艦見学用のデッキ、魚雷積載用クレーン、係船柱などが配置されている。明治の護岸の上を歩いて令和の潜水艦を眺める、というのがこの公園の体験ということになる。
アクセス・駐車場・利用時間
呉市公式サイトとくれとりっぷの案内では、バスの場合はJR呉駅前から広電バス「呉倉橋島線」の音戸倉橋方面ゆきに乗車し、「潜水隊前」バス停下車、徒歩約1分。車の場合は広島呉道路(クレアライン)呉インターチェンジから約10分と紹介されている。
駐車場は「アレイからすこじま駐車場」があり、料金は無料。普通車28台・バス10台の収容で、利用時間は8時00分から20時00分と案内されている。公園自体は入園無料・休園日なしだが、車で向かう場合は駐車場の利用時間を基準に計画を立てるのが安全だ。
見学するときに心に留めておきたいこと
この公園の魅力は、現役の海上自衛隊の施設が目の前にあることそのものから来ている。裏を返せば、ここは観光施設ではなく、日々の任務が動いている現場のすぐ隣ということでもある。
現地に掲示されている案内や、係員の指示があればそれに従う。立入禁止の区域には入らない。艦艇の乗員の方々が作業している場面もあるので、必要以上に大きな声を出さない。このあたりを押さえておけば、気持ちよく見学できる。撮影の可否や範囲について気になる場合は、事前に呉市公式サイトの案内を確認しておくと安心だ。
まとめ
アレイからすこじまは、入園無料・休園日なしで、潜水艦を間近に眺められる公園。名前は英語の小道と、埋め立てで消えた小島「烏小島」に由来する。明治28年の護岸、明治30年代のれんが倉庫群、旧魚雷積載用クレーンといった旧海軍時代の遺構と、現役の艦艇が同じ視界に収まる、呉ならではの場所だ。日の出や日没に合わせて訪れれば、旗の掲揚・降納という静かな見どころも待っている。呉に来たなら、時間を作って立ち寄りたい。
(本記事は呉市公式サイト・呉市公式観光サイト「くれとりっぷ」・日本語版ウィキペディアの公開情報をもとに構成しています。艦艇の停泊状況は日によって異なり、駐車場の利用時間や見学に関する案内も変更される場合があるため、訪問前に最新情報をご確認ください。)
参考にした公開情報
呉市公式サイト「アレイからすこじま」 https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/67/m000008.html
日本語版ウィキペディア「アレイからすこじま」 https://ja.wikipedia.org/wiki/アレイからすこじま
くれとりっぷ(呉市公式観光サイト)「アレイからすこじま」 https://kure-trip.jp/spots/26
(初稿・ニタ未確認)
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