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呉・蔵本通りの屋台街とは?大正時代から続く「全国でも珍しい」屋台文化

呉駅から歩いて10分ほどの蔵本通りには、夕方になると赤い提灯がぽつぽつと灯りはじめる。大正時代から続くと言われる、呉の屋台文化の現場だ。屋台街といえば福岡の中洲が全国的に有名だけれど、中国地方でこれだけまとまった数の屋台が今も営業している場所は、かなり珍しい。ここでは公開されている情報をもとに、蔵本通りの屋台街の場所・歴史・楽しみ方を整理しておく。

目次

蔵本通りはどこにある?呉駅から徒歩10分

呉市公式観光サイト「くれとりっぷ」によると、屋台が並ぶのは呉市中央3丁目の蔵本通り。JR呉駅から徒歩10分、バスを使うなら呉駅前バス停から「辰川線」に乗って「中央3丁目」下車すぐ、と案内されている。

通りそのものは並木が整備された落ち着いた景観で、春はツツジ、秋はイチョウが色づくと紹介されている。昼間に通ると屋台の姿はなく、ごく普通のきれいな通りに見えるのが面白いところ。夜になって一帯に赤提灯が並ぶと、通りがまるごと呉の夜の顔に切り替わる。

大正から令和へ、100年つないできた屋台の歴史

年表でたどると、この街が屋台をどう守ってきたかが見えてくる。

屋台の情報サイト「ヒラケル」がまとめた呉市屋台の歴史によると、大正13年(1924年)の記録には「夜なきうどん」の営業者が呉所管内に26軒あったとある。当時から屋台は呉の日常にしっかり組み込まれていた。

転機は昭和40年(1965年)ごろ。道路交通法の改正で車道での屋台営業が禁止となり、翌昭和41年(1966年)、屋台組合・呉警察署・呉市の三者協議によって「市内の屋台を蔵本通りに集約し、それ以外の場所での営業は認めない」という方針が決まった。市内に散らばっていた屋台が一本の通りに集まったのは、このときだ。

昭和58年(1983年)には呉市が都市景観モデル事業の指定を受け、昭和61年(1986年)には市の負担で屋台のためのインフラ整備が実施された。行政が「屋台を残す」と腹を決めて設備を入れたわけで、ここが全国的にも面白い点だと思う。

その後、平成12年(2000年)には20軒あった屋台が8軒まで減少。平成13年(2001年)に「蔵本通り屋台活性化懇談会」が設置され、平成14年(2002年)には屋台の設置場所を道路区域から除外したうえで、新たな営業者を公募すること、既存営業者については配偶者または子への承継を認めることという方針が打ち出された。現在、呉市は蔵本通りに面する中央公園内の指定場所での屋台営業について要綱を定めている。

つまり蔵本通りの屋台は、ただ昔から残っているのではなく、そのつど関係者が話し合って制度を作り直しながらつないできた文化ということになる。

名物メニューは「なんでもあり」。おでんからイタリアンまで

呉市の移住定住ポータルサイト「KURETO」の記事によると、最近では10店舗前後の屋台が営業しているという。メニューは定番のおでん・ラーメンをはじめ、鉄板焼き、やきとりとバリエーションが豊富で、イタリアンや串カツを出す屋台まであるそうだ。お好み焼きや、呉のソウルフードである「がんす」を出す店もあると紹介されている。

がんすって何だっけ、という方は呉の「がんす」って何? 名前の由来から食べ方までもあわせてどうぞ。屋台のカウンターで軽くつまむのにちょうどいい一品だ。

「ヒラケル」の記事では、おでんの「かさ」、テールラーメンの「たんや華智」といった屋台の名前も紹介されている。ジャンルが店ごとにきれいに分かれているので、はしごする楽しみがある。

観光地化されていない「素の呉」がある

KURETOの記事では、蔵本通りの屋台は観光客が少なく地元の方の利用が多いこと、どの屋台も外から入りやすいオープンな雰囲気であることが紹介されている。

これは屋台街としては、なかなか贅沢な状態だと思う。仕事帰りの人がふらっと座って一杯やる、その呉の日常がそのまま残っている。観光で来た人にとっては、ガイドブックでは味わえない空気に触れられる場所ということになる。

訪れるときに知っておきたいこと

営業時間・定休日は店舗ごとに異なる。「ヒラケル」の記事では午後6時ごろには営業が始まっていると紹介されているが、店ごとにばらつきがあるので、時間に余裕をもって向かうのが安心だ。

1軒あたりの席数は限られる。カウンター数席という規模なので、満席なら次の屋台へ、くらいの気持ちで歩くとちょうどいい。

支払い方法も屋台ごとに違うので、現金を用意しておくと確実。屋台の入れ替わりもあるため、特定の店を目当てにする場合は最新情報を確認しておきたい。

まとめ

蔵本通りの屋台街は、大正時代の「夜なきうどん」から数えて100年。道路交通法の改正という危機を、集約という形で乗り越え、市のインフラ整備と要綱づくりで今日までつないできた。赤提灯の下にあるのは、呉の人たちが普通に過ごしている夜そのものだ。呉を訪れる予定があるなら、ホテルにチェックインしたあとの一杯を、ここで飲んでみるのはどうだろう。

(本記事は呉市公式観光サイト「くれとりっぷ」・呉市移住定住ポータルサイト「KURETO」・屋台情報サイト「ヒラケル」の公開情報をもとに構成しています。営業店舗・営業時間・提供メニューは変動するため、訪問前に最新情報をご確認ください。)

参考にした公開情報

くれとりっぷ(呉市公式観光サイト)「蔵本通りの屋台」 https://kure-trip.jp/spots/136
KURETO(呉市移住定住ポータルサイト)市民ジャーナル https://kureto.city.kure.lg.jp/read/citizen-journal/866/
ヒラケル「地方の古き良き屋台 呉市屋台の歴史と現在」 https://www.stand-3.com/column/food-stalls/4769/

(初稿・ニタ未確認)

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