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呉の「がんす」って何? 名前の由来から食べ方まで全部説明します

呉のまちを歩いていると、スーパーの総菜コーナーやお土産物屋で「がんす」という文字をよく見かける。県外の人にとってはまず読み方すら分からない一品だが、呉では給食にも出るほど身近な食べ物だ。この記事では、がんすの正体・名前の由来・どこで買えるかを、公開されている情報をもとに整理する。

目次

がんすの正体は「魚のすり身フライ」

がんすは、白身魚のすり身に刻んだ玉ねぎと唐辛子を練り込み、パン粉をまぶして油で揚げた練り物だ。見た目はハムカツによく似ているが、中身は肉ではなく魚のすり身という点が違う。衣はサクサク、中はすり身のうま味がじわりと広がる食感になる。

ミツカン水の文化センターの機関誌『水の文化』第74号によれば、がんすは70年以上前に広島県呉市で生まれた食べ物で、かまぼこ製造の過程で余ったすり身を活用したのが始まりとされる。1950年に三宅水産(当時は三宅蒲鉾)の初代・三宅惣一が蒲鉾づくりを始め、その後がんすが考案された。同社の社史ページでは、「後からピリッと辛い」という特徴を出すために唐辛子を使い、キムチの保存方法から着想を得たと紹介されている。

名前は広島の方言「〜でがんす」から

「がんす」という名前は、「〜でございます」を意味する広島の古い方言「〜でがんす」に由来する。当時よく使われていた親しみやすい言葉をもじり、「良き言葉をつければ商品もより良く育つように」という願いを込めて名付けられたと三宅水産は説明している。魚の名前でも製法の名前でもなく、方言の語尾がそのまま商品名になったという、呉らしい成り立ちだ。

どこで買えるか

がんすを広めた三宅水産は、呉市広町に本拠を置くメーカーで、「うまいでがんす®」は同社の看板商品になっている。直営店「三宅ShoP」は呉市広古新開6丁目16-2にあり、営業時間は9:00〜18:00、定休日は毎週日曜・火曜(駐車場4台あり)。呉市内のスーパーや土産物店、東京・大阪の百貨店催事などでも見かける機会がある。

呉では学校給食にもがんすが登場するほど日常に溶け込んでおり、単なる観光土産ではなく、地元の食卓の定番という側面が強い。がんすはそのまま食べても、軽く炙っても、ソースをかけても楽しめる練り物で、決まった食べ方があるわけではない。おやつにも、お弁当のおかずにも、酒のつまみにもなる懐の広さが、長く呉で愛されてきた理由のひとつだろう。

派生グルメ「がんすバーガー」

近年はがんすを使ったアレンジグルメも生まれている。代表格が「呉海自がんすバーガー」だ。もとは海上自衛隊呉造修補給所の隊員が、隊員に呉の食材を手軽に楽しんでもらおうと基地の給食メニューとして考案したもので、現在はレシピが呉市内の飲食店に提供され、一般の人でも味わえるようになっている。

「海自公認」を名乗るには、①魚肉のすり身にパン粉をつけて揚げたがんすを使うこと、②カレー風味のソース「愚直たれ」を使うこと、③バンズで挟むこと、という3つの条件を満たす必要があり、それ以外の味付けや具材は各店が自由にアレンジしてよいことになっている。がんすという昭和初期生まれの食べ物が、令和のご当地バーガーとして形を変えながら生き続けている例といえる。

まとめ

がんすは、呉のかまぼこ屋が生んだ魚のすり身フライで、名前の由来は広島弁の「〜でがんす」。三宅水産の「うまいでがんす®」がその代表格として全国に知られている。呉に来たら、まずはお土産コーナーでこの一品を探してみてほしい。

(本記事は三宅水産公式サイト・ミツカン水の文化センター機関誌等の公開情報をもとに構成しています。現地での実食レポートは別記事で扱う予定です。)

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