JR呉駅を出ると、正面に大きな山が立っている。頂上に丸く白いドームが乗っているのが目印の、灰ヶ峰だ。呉市公式サイトによれば標高737m。日本三大夜景で知られる函館山が標高334mなので、単純に比べると倍以上の高さから呉の街を見下ろすことになる。ここでは公開されている情報をもとに、灰ヶ峰の夜景がなぜ評価されているのか、そして行き方と気をつけたいポイントを整理しておく。
灰ヶ峰ってどんな山?
呉市公式サイトによると、灰ヶ峰は標高737m、所在地は呉市栃原町。呉の市街地の北側にそびえる独立峰で、山頂には広島地方気象台の「灰ヶ峯気象レーダー観測所」が置かれている。日本語版ウィキペディアの記述では、このレーダードームの直径は6.7m。街のどこからでも見える白い球体が、そのまま灰ヶ峰の看板になっている。
呉というまちの成り立ちについては、当サイトの呉市ってどんな街?観光前に知っておきたい基本情報もどうぞ。灰ヶ峰から見下ろす光の並び方にも、この街の歴史がそのまま表れている。
展望台は「元高射砲台」だった
灰ヶ峰の面白いところは、展望台そのものに歴史があることだ。
日本語版ウィキペディアによると、第二次世界大戦中の灰ヶ峰には、軍港である呉を空襲から守るための海軍の高射砲施設が置かれ、一般の人は立ち入り禁止だった。そして現在の頂上の展望台は、その高射砲台の基部を使ったものとされている。
つまり、かつて空を睨んでいた円形の土台の上に立って、いま呉の夜景を眺めることになる。街を守るための場所が、街を眺めるための場所に変わった。灰ヶ峰の夜景を語るときに、この一点は外せないと思う。
中四国三大夜景・日本夜景遺産に選ばれる理由
呉市公式サイトは灰ヶ峰の夜景を「中・四国三大夜景」として紹介し、「宝石のような街の灯り、呉港に揺れる船、そして月あかり」と表現している。
日本夜景遺産の公式サイトでは、灰ヶ峰は「自然夜景遺産」(中国地方)に選定されている。評価のポイントとして挙げられているのは、絶壁眺望系の夜景名所として貴重であること、そして市街も間近に感じられるダイナミックな景観であることだ。
夜景専門サイト「夜景INFO」も、眼下に何も遮るものがなく夜景が広がる視界の広さを特徴として挙げている。標高が高いだけの展望台なら各地にあるが、灰ヶ峰は高さと、市街地までの近さと、遮蔽物のなさが揃っている。ここが評価されている理由ということになりそうだ。なおウィキペディアには、夜景100選に選ばれているという記述もある。
光の筋が「くれ」と読める、という話
灰ヶ峰の夜景には、地元で語られてきた言い伝えがある。市街地の大きな光の部分を線でつなぐと、平仮名の「くれ」の字が浮かび上がる、というものだ。
日本夜景遺産のサイトでは「道路の明かりが”くれ”の文字に見える」と紹介され、夜景INFOでは「大きな光の部分を結んで、平仮名の『くれ』が見えれば、カップルが結ばれると言われています」と、縁結びの伝説として紹介されている。
見えるか見えないかは、その日の視界や見る人の目次第。だからこそ、展望台で二人して「あれが『く』かな」と探す時間が楽しいのだと思う。
アクセス。車で行くのが現実的
呉市公式サイトによると、車の場合は広島呉道路(クレアライン)呉インターチェンジから約30分。市中心部からは国道185号を呉越峠方面へ北上し、「西畑」信号を左折するルートが案内されている。呉市公式サイトには「休山新道は通りませんので、ご注意ください」という注意書きもあるので、カーナビ任せにせず案内どおりのルートを確認しておきたい。夜景INFOでは、呉市内から山頂まで20分弱という記述になっている。
バスでも神山峠まで行くことはできるが、呉市公式サイトの案内では「神山峠」バス停下車から徒歩約1時間30分。夜景を見る目的で公共交通機関だけを使うのは、現実的には難しい。車、またはタクシーで向かうのが基本になる。
運転で気をつけたいのは道幅だ。夜景INFOには「完全舗装されたそれなりに道幅がある道路」としつつ、「道幅が狭いところがあります。初心者ドライバーはご遠慮ください」という注意が記載されている。夜間の山道なので、対向車とすれ違う場面を想定して、速度を落として走りたい。
駐車場と、訪れる時間帯
駐車場は無料。台数については、呉市公式サイトが「約6台」、夜景INFOが「10台程度」と案内している。いずれにしても大きな駐車場ではないので、週末や連休は満車の可能性を織り込んでおいたほうがよさそうだ。
時間帯について、夜景INFOはトワイライトタイム(日没後、空にまだ青が残っている時間帯)をすすめている。空の青と街の灯りが同時に見える短い時間で、写真を撮るなら狙いたいところだ。完全に暗くなってからの夜景とは、また別の表情になる。
山頂の気象条件は市街地と異なるので、出かける前に天気とその日の日没時刻を確認しておくと空振りが減る。
まとめ
灰ヶ峰は標高737m。函館山の倍を超える高さから、遮るもののない呉の夜景を見下ろせる。中・四国三大夜景に数えられ、日本夜景遺産の自然夜景遺産にも選定されている。展望台の足元は戦時中の高射砲台の基部で、光の筋が「くれ」と読めるという言い伝えもある。行き方は車が基本、駐車場は無料だが台数は少なめ、道幅の狭い区間があるので運転は慎重に。呉に泊まる予定があるなら、日没の少し前に山を登りはじめる一日を組んでみてはどうだろう。
(本記事は呉市公式サイト・日本夜景遺産公式サイト・夜景INFO・日本語版ウィキペディアの公開情報をもとに構成しています。道路状況・駐車場・気象条件は変動するため、訪問前に最新情報をご確認ください。)
参考にした公開情報
呉市公式サイト「灰ヶ峰」 https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/67/m000081.html
夜景INFO「灰ヶ峰展望台」 https://yakei.jp/japan/spot.php?i=haigamine
日本夜景遺産「灰ヶ峰」 https://www.yakei-isan.jp/spot/detail.php?id=179
日本語版ウィキペディア「灰ヶ峰」 https://ja.wikipedia.org/wiki/灰ヶ峰
函館山の標高は函館山ロープウェイ公式サイトの記載(334m)を参照 https://334.co.jp/kids/mt/
(初稿・ニタ未確認)
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